クリストフォルー

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

4.4
現代史において、数々の忌むべき愚挙が法の名の下に行なわれ、いまもなお繰り返されている。ジム・クロウ法やニュルンベルク法、アパルトヘイト、優生保護法、日本のらい予防法などは、日本でも歴史の授業で習うだろうが、意外と知られていないのが、日本にほぼ存在しなかった"ソドミー法"だと思う。
平たく言うと“異性愛以外の性行為を犯罪とする法律”だが、日本に“ホモファビア(同性愛嫌悪)”はあっても、それが法的に犯罪とされていなかったことは、ひとつの救いかもしれない。日本にソドミー法があったら、きっと陰湿な密告・相互監視社会が生まれていたに違いない。(いまだって、じゅうぶんそうかも・・・)
その人がどんなパーソナリティーかではなく、人種や障害、性指向、思想などで判別し、処罰の対象にする社会。二度の大戦を経験したにも関わらず、真に活きる価値のある世界を創れないまま、人類は二十世紀、そして、この二十一世紀を生きている。チューリングが先鞭をつけたコンピューター/AIは、こんな人類を救えるのか。チューリングに訊けるといいのに。
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