自由と独裁
民主主義とナチズム
人々は文明の壮大なる戦いとしてこの戦争について語る。
だが我々は違った。我々は6人のクロスワード愛好者が英国南部の町で戦った。
アラン(同性愛者)への非道な扱い、当たり前な男尊女卑、生かされる人と生かされない人の判決と苦悩…、等々テーマは色々あるけれど、
何よりアランが連合国軍側に生まれたことに安堵した。
そして第二次世界大戦は文明が勝利をもたらしたのではなかった。より多くの情報とその分析解析能力が優れていた方が勝っただけの話だった。
そう思うとゾッとする。
もしアランのような数学者がこちら側にいなかったら。
もしナチス側により優れた天才がいたら。
この映画を観た私はアランの受けた扱いに同情することも、ジョーンが語った美しい家族像に共感することも、そもそもこのわうな映画を見ることすら叶わなかったかもしれない。
男女平等やLGBT、ホロコースト等の問題より、
そもそも民主主義が独裁政治に勝っていたという前提が覆されてしまうのでは、と恐ろしく感じた。