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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のryoharaguchiのレビュー・感想・評価

4.1
内容は下記参照。
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。


ものすごくよかったです。
天才ゆえの苦悩と、中枢側から見た戦争中の葛藤。どうしようもない戦争の悲惨さに胸が痛かったですね。

その上、主人公アラン・チューリングの真実をイギリス政府が何年にもわたって隠していたこと、実際の戦時中にドイツ軍が使用していたエニグマ(暗号製造機)が毎朝そのシステムを改変するハイパー優秀なものだったこと、主人公たちが発明した暗号解読機が後のパソコンの原型だったことなど…..

色々とワクワクする要素が多かったです。

また、脚本のグレアム・ムーア氏がアカデミー賞受賞時の台詞で口にした「stay wired, stay different」という言葉。この作品のテーマはまさにこの一言に詰まってますね。

チューリングが発明したマシンの名称の由来の明かし方も、わざとらしくなくてグッときましたし、とびきり切なかった。

主演のベネディクト・カンバーバッチ。シャーロックシリーズやスタートレックでの演技も光ってましたが、この作品は彼の最高傑作だと思います。

頭の良さそうな芝居をするというより本質的に頭が良いと感じる。存在感が世間離れしてますね。葛藤する表情やマシンの設計に励む姿など、一つ一つの挙動がとてもセクシーで、数学者役にピッタリでした。
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