英国政府が50年以上隠し続けた一人の天才の真実の物語。
同性愛者という性的マイノリティであった事から戦後正しい評価を受けることが出来ず、最期は自殺し自らの人生に幕を閉じた悲劇の天才。
変人と天才は紙一重と言うべきか、変人を演じさせたら天下一品なカンバーバッチがチューリングを見事に演じきっています。
人との会話が噛み合わず、周りの気持ちも理解できない。
協調性の欠片もない彼を支え、変えたのは紛れもなくジョーンであり、彼女を演じたキーラ・ナイトレイも見事な演技でした。
同性愛というだけで罪に問われた当時のイギリス。
国のエゴや偏見は彼を追い詰めていく。
そんな時代に翻弄された天才。
決してハッピーエンドではないが、唯一の救いは2009年に英国首相がアラン・チューリングの扱いに対して正式に謝罪をしたということ。
国のエゴで個人の尊厳が損なわれるということはあってはならないこと。
人間の尊厳や多様性について深く考えさせられる良質な人間ドラマであり、傑作の伝記映画です。