我が人生におけるBEST映画である、間違いなくそう言い切れます。
鑑賞後暫く静かに涙を流しながら、この涙は何に対する涙なのかと考えていました。
チューリングのあまりに悲惨な最期？
クラークの最高純度の愛情？
解読に至るまでの壮絶なドラマ？
多分、あらゆるセクションにおいてのマイノリティ(人は皆何かしらのマイノリティであるというのが私の持論ですが)に向けての強烈なメッセージを心が全力で受け取った結果の涙なのだろうな。そう思うことにしました。
だってこんな、こんな人間同士の物語を最高の形で脚本にしたムーアの言葉選び。
「時として、誰も想像もしない人物が、誰も想像できない偉業を成し遂げる」
「あなたが普通じゃないから、世界はこんなに素晴らしい」
傷つく事も人生経験、なんて綺麗事を死にたい気持ち真っ只中の人、そして過去の私に放つつもりは毛頭ありませんが、人からすれば些細なものでも痛みを経験したことのない人に他人の痛みは癒せません。
キャストも、エニグマの解読という点(実話の興味深さ)も素晴らしい。
けれどこんなに私に勇気をくれたグレアムムーアに惜しみ無い拍手を。
そして死後名誉回復がなされたチューリングと、恩赦が与えられなかった同性愛者に向けて宣言します。
今の時代を生きる異性愛者「ではない者」として、全ての普通「ではない人たち」に権利を求め、闘っていくことを。
最高の映画を本当にありがとうございました。
