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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のyoshikiのレビュー・感想・評価

3.5
実は今作は、恋愛映画かもしれないと思っている。しかもかなりの純愛もの。

彼がエニグマの解読にこだわり続けたのは本当に大好きだったから。その理由も、ただ数学的にパズルを解くのが好きなだけではない。物語が進むにつれて、彼の少年時代の思い出と共に解読器につけた名前ははっきりとした意味を持つようになる。
その過程を見せられた後で、我々が知らされるアランの人生の結末がまた切ない。世間は自分を受け入れず、さらに自分すら、徐々にしかし確実に、自分が自分ではなくなってしまうことを受け止めることができなくなっていった。そうして、どんな時も自分のことを受け入れてくれる唯一無二の存在の元へ行ってしまったのかもしれない。

カンバーバッチの振り切れた変人っぷりが気持ちいい。映画の印象からすると、天才というよりは奇才という感じ。もう少し天才さを表現する描写があっても良かったかも。
盗人に入られたが、何も取られていないという主張の意図はなんだったのかが気になる。

2015.03.14@TOHOシネマズみゆき座
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