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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のNMのレビュー・感想・評価

4.8
パソコンの原点と言われるアラン・チューリングの生涯を描いた作品。


しかしきっと、多くの人に関係する重要な点は、チューリングが現在のコンピューターの基礎をつくったという事実だ。意外なことに、IT業界のなかでさえチューリングの業績を正確に理解している人は少ない。もし彼がいなかったら、今日のアップルもマイクロソフトもなかったかもしれないし、現代のコンピューターもまったく違ったものになってしまったかもしれないほどの、20世紀の偉人であることは間違いないと思う。
1912年、量子力学や相対性理論が論じられ、現代の科学が開花し始めていた時代。数学と科学に目覚めた少年チューリングは、『Natural Wonders Every Child Should Know』という科学解説本を手にした。
これ、日本語訳があるので見てみたが子供が見るには難しい内容ばかりだった。
そのなかで彼の心を捉えたのは、脳が神経線維で形づくられた組織で、人間の心はそれらのネットワークの結びつきによって生まれているとする解説だった。次第に抽象的な目に見えない世界の秩序に思いを馳せるようになる。

目に見えないもの、それは知識という物だったり愛だったり、大切なものほど目に見えない。
しかしながらそれにすがり付いて生きるのが人間という生き物だ。
愛がソフトウェアを作ったのか、旗また何か別の物なのかもう誰も知るよしは無い。

悲しい性格と性質を持ちながら自分の思いを貫き通し、大切なものを守り通そうとしたアラン・チューリングの栄誉を称えたいほど儚く強い人生だった。


とあるシーンで
「成功の秘訣はたくさんの林檎とひとつのジョークよ」と言ったシーンは忘れられない。
彼の話はよく知っていたけれど、改めて映画で見ると凄いものがある。

感覚的には映画ヤマト船を作り上げたアルキメデスの大戦と似ている感じがする。
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