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ジャンヌ・ダルク裁判のJeffreyのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)
4.5
‪「ジャンヌ・ダルク裁判」‬
‪冒頭、鎖に身を繋がれた女。教会、神の声、無垢な体、恐慌状態、火炙り。魔女に死を、焼き殺せと民衆の声…本作はR.ブレッソンの傑作の一つで審問に答える彼女の言葉に宗教的知性を感じる。映像は光輝の美しさと陰翳の妖しさ、そのコントラストの美的な様は何とも言えない…あぁ傑作。‬ 傑作。勿論、同内容を扱ったサイレント白黒時代のドライヤーの傑作「裁かるるジャンヌ」同様に歴史的重要な作品で物語は彼女の心、宗教の葛藤を冷酷に描く。戦犯を裁判にかけるのと同様予め全て決まっていたかの如く火刑にされる…魔女狩りと言う言葉があるが正に本作は被疑者となった彼女が訴追され裁‬判にかけられ最終的に刑罰にされる言わば迫害を受ける。現代も魔女狩りは地域によりあるがヨーロッパ式魔女狩りは徹底して思想的偏見に満ちてる…中国の文化大革命もそれに近い。本作はただひたすら突発的な不安と恐怖がこの状況を生み出し行きすぎた暴発行動に至る…僅か60分程度の作品ながら濃厚だ。‬やぁぁぁっと発売された。R.ブレッソン監督の傑作で第15回カンヌ国際映画祭にて審査員特別賞を受賞した「ジャンヌ・ダルク裁判」のBDが届く。まさかの4Kレストア版って言うサプライズ。次は「罪の天使たち」か「抵抗」のBD化を願う。1時間しかない映画だが名作だ。
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