ジャンヌ・ダルク裁判の作品情報・感想・評価

ジャンヌ・ダルク裁判1962年製作の映画)

LE PROCES DE JEANNE D'ARC

製作国:

上映時間:65分

ジャンル:

3.8

「ジャンヌ・ダルク裁判」に投稿された感想・評価

かす

かすの感想・評価

5.0
徹底的に冷酷なキャメラがうつす
徹底的に冷静な芝居
狂って流れる涙ではなく
なにか押し出されるように流れる涙
手元に移るドキュメント
彼女は燃えてどこにいったのか
彼女を燃やした罰は消費されたのか
彼女が本当に犯し罪はどこにいったのか
彼女が殺した人々の魂はどこに帰るのか
天か地か主はどこにいるのだろうか
この映画では、ジャンヌ・ダルクが戦場に行く前後は描かれておらず、その後の法廷裁判と牢獄での尋問などを中心に描いている。
そのため、会話は結構多い。

ジャンヌ・ダルク(フロランス・カレ)が法廷証言・牢屋での葛藤や苦悩している姿を、実に丹念に描いたブレッソン監督作品であった。

世界史で有名な「ジャンヌ・ダルクの火刑」は、ブレッソン監督らしく見事に描かれている。

素晴らしい傑作。
NY

NYの感想・評価

3.0
ブレッソン監督版のジャンヌ・ダルク裁判を観た。
ほとんど説明の無い潔いほどの簡略表現、胸にビシバシ突き刺さるジャンヌの台詞。
こりゃ難解。さすがブレッソン、安易な理解を拒絶してます。
ドライアーの「裁かるるジャンヌ」も全く違うアプローチらしいので、是非観てみたい。

主役を演じたジャンヌ役の素人の方、DVD特典映像に出演していますが、知的で素敵なフランス女性になられています。ジャンヌも生きていれば、こんなレディになったんだろうなあ、と思うと感無量。
尋問を言葉巧みにヒラリヒラリとかわしていくジャンヌ・ダルクはまさしく天才だった

天才のダルクが、灰になるまで。

それを描こうとするブレッソンのために必要な時間は、たったの60分である
ほし

ほしの感想・評価

4.0
撮影:レオンス=アンリ・ビュレル(ブレッソンと大喧嘩したらしい)

手よりも足。
枷が外され、引っ掛けられながらも火刑台まで歩く。磔となったその瞬間にカメラはティルトアップし初めて彼女の全身を捉える。
nagaoshan

nagaoshanの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ロベール・ブレッソン監督作品!

ジャンヌ・ダルク作品はリュック・ベッソン作しか観たことありませんでしたが、なんとなくどんな女性かは理解してました…

本作は、またまた淡々と裁判の再現がなされていきます。

だんだんとブレッソン監督の作品が、少しづつ、なんとなく、ですがわかってきたような気がします^_^

この監督はDVDの特典でのインタビューでしか観てませんが、相当の変態(私の最高の褒め言葉です( ^ω^ ))
わたしの周りにもたくさんの愛すべき変態が溢れとりますが、それは職人さん‼️
なんですよね〜笑(╹◡╹)
愛が溢れて、自分の作品に命をかけている人…

大好きですね〜(^^)

孤高の監督…良か漢です。

本作のジャンヌ役フロランス・カレーズさん19歳の女の子らしい頑な意志の強さや、弱さを上手く表現してます、演じてると言ったら監督怒る💢ので笑!

ラストの描写はとても印象的でした
小走りに死刑台に向かうところ…
煙の中の十字架…
天幕の影に映る鳩🐦…
焦げて煤汚れた柱と鎖…

ブレッソン監督ハマりましたね〜
良か映画!
9

9の感想・評価

-
授業で見た
98年のジャンヌダルクも宗教的で怖いシーンあったけどこっちはただ裁判してるだけなのに不安定な気持ちになる すごい
MasayaJoe

MasayaJoeの感想・評価

4.2


画面をみるだけなのに、魔法をみせられてる感覚。タネは明かされてるのに、狐につままれたような。空間の感覚、時間の感覚、人間の感情が妙なルートで伝わってくる。

で、画面はとにかくミニマル。
延々と続く答弁。切り返しの視線の交差、覗き穴、動く足、を撮るだけでこんなにも面白い。ミニマルあっぱれ!

あえていっちゃえば、これはある裁判の再現ドラマにすぎない。
ブレッソンの発言をたどると
「その場に在ることを丹念に描けばよいのだと信じてた」的な発言がある。
たとえ何かの再現であっても、その場に生まれるものを描いていけば退屈にはならない、と。
ラストの延々と続く足のショットで緊張感がMaxになり吐いた。
Hero

Heroの感想・評価

4.3
【ブレッソン、ジャンヌを裁く】
ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』では、審問官たちの心の悪を投影した顔面と、ジャンヌの大きな瞳から流れ落ちる大粒の善なる涙へのクローズアップを対比させ、10:0でジャンヌへ感情移入させるという描き方に非常に作り手の温度を感じるというか、生きているというか、いわゆる“動”のイメージを持った。

対してブレッソンによる今作では、同じ画角で捉えられたジャンヌと審問官を、質疑応答の文章の区切りの良いところでカットバックさせるのみというどちらにも感情移入させず対等に描いている。なんとも冷めた無機的なその描き方に“静”のイメージを抱く。多分、今作だけを観た人にはこのブレッソンのうまさが伝わらないはず笑。

↓↓↓↓↓こっからネタバレます。



























ブレッソンによる省略の美学
①ジャンヌの味方司祭の描き方
ドライヤー版では牢でのやり取りがあったが、ブレッソンはこれを視線と衣装の色の違いだけで観客に理解させる。ヤバイ。

②英兵のジャンヌへの嫌がらせ
ドライヤー版では牢でのやり取りがあったが、ブレッソンはこれをわずか6カットのみで描く。シビれる。寝ているジャンヌが目覚める→メットを落とす英兵の手のクローズアップ→ジャンヌ→持ち場に戻る英兵→ジャンヌ→覗き穴。シビれる。

③ジャンヌの死への恐怖
ドライヤー版と違って感情的になるジャンヌの様子が極端に排除されているのにも関わらず、ラストの火刑台に向かうおぼつかない裸足の足下を映すカットのみ、たったこの1カットでジャンヌの死への恐怖を表してしまう。ジャンヌじゃなくこっちが死にそう。

④圧巻のラストカット
ドライヤー版のうな垂れるジャンヌの死体を前に民衆が暴れ回る騒がしいラストと正反対な、ジャンヌを支えていた杭だけを映す静閑で美しすぎるラスト。もう色んな意味で死んだ。

行き着いた結論、ブレッソン天才。

2017-
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