前作よりも、さらに禁欲的な作品となっている。ナレーションが皆無で、音楽もほぼ削ぎ落とされていたからだ。『抵抗-死刑囚の手記より-』で確立されたカメラワークがさらに洗練されているように見受けられた。
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ドライヤーの『ジャンヌ・ダルク』はほとんど忘れてしまったけど、あちらが有罪と火刑をクライマックスとするドラマチックな「裁判」の映画だとしたら、同じ題材でもこちらは虚しい「官僚制」の映画だと感じた。
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イングランドによる異端尋問の一部始終を64分に凝縮したロベール・ブレッソン監督の野心作。
実際の弾劾裁判記録に基づき、
ヒロインに華美な演技を許さず、
啓示を受けた信仰心の強い神の化身ジャンヌと1…
裁判のはじまりから処刑まで。この構成はどうしてもドライヤーと比べてしまう。どちらも素晴らしい。でも決定的な違いがある。この映画にはアントナン・アルトーがいない。これに尽きる・・・。どうしても物足りな…
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今にしてみれば、ジャンヌを裁きあぐねている聖職者たちはそれなりに矜持があるように見えてしまう。(現代の政治家はもっと悪どいことしてそうだから…) 穴から覗き見ながら苦心してる聖職者、なんかかわいい…
エンタメ性を退け、まるで本物の裁判記録のように淡々と綴ったジャンヌ裁判の記録。ロベール·ブレッソン監督作。信仰告白は無宗教者にとっては狂気と変わらない。そして私見では、キリスト教の教義という枠にあく…
>>続きを読む「Gは神々しいまでに男そのものであり、Fは神々しいまでに女そのものであり(つまりモデルなのだ)、そこには何のトリックもない。トリックとは彼らの内に隠されてあるもの、表には出て来ない(露呈しない)もの…
>>続きを読む<Death to the witch>という英語の音源が何回も反復される
裁かるゝジャンヌよりと比較してしまう
無表情で反抗的な描写が多いせいで、涙を流す瞬間を緩急がついて、ソンタグとは反対にめち…
すでにジャンヌ・ダルクの映画があるのになぜ監督も撮ることにしたのかという問いにブレッソンは「彼女をリアルで親密なものにしたかった」と答えている。なるほど本作はフランス救国の戦闘シーンは一切なく、英国…
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