黒い歩みから始まり、黒く焼け焦げた柱で終わる。そこから浮かび上がるのは何なのか?
ジャンヌ=フロランス・ドゥレの異端審問での悪辣な誹りから牢屋での孤独な様までを静かに反復し続けることで、彼女の(時節…
ブレッソンの手と指の宇宙的交感(蓮實)は相変わらず炸裂していて、また禁欲の姿勢がとてもよく、ラストの虚構じみた神秘的な幕の閉じ方がいい
他なる映画とで濱口が何を語っていたか忘れてしまって…
ブレ…
ロベール・ブレッソンが描くジャンヌダルクの裁判記録を基にした映画
苦手なブレッソン作品のなかでは好きなほうだった
本当の基にしたのはカール・テオドア・ドライヤーの『裁かるる、ジャンヌ』だが、…
頬を伝うジャンヌの涙が辛い。一度は改悛してしまうが、再び信心するジャンヌ。火刑場へ向かう足のトラッキング。引っ掛けられる足。楽しそうな観衆の声。煙の中に掲げられる十字架。鎖と燃え残った磔台。響く鐘の…
>>続きを読む冒頭から続く足下のショット。やがてカメラはジャンヌの足下を追うようになる。ついにはジャンヌを火炙りにする処刑台の足下をも写す。ジャンヌの足下に転がり込む石や彼女を転ばそうと伸ばされた群衆の足。この時…
>>続きを読むジャンヌ・ダルクの映画といえば、ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』が有名だと思うし自分も先にそっちを観たけど、こちらは裁判の問答が、ブレッソン特有の淡々とした調子で終盤まで続く。しかし処刑を前にしたジ…
>>続きを読む前作よりも、さらに禁欲的な作品となっている。ナレーションが皆無で、音楽もほぼ削ぎ落とされていたからだ。『抵抗-死刑囚の手記より-』で確立されたカメラワークがさらに洗練されているように見受けられた。
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ドライヤーの『ジャンヌ・ダルク』はほとんど忘れてしまったけど、あちらが有罪と火刑をクライマックスとするドラマチックな「裁判」の映画だとしたら、同じ題材でもこちらは虚しい「官僚制」の映画だと感じた。
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