わち

誰よりも狙われた男のわちのレビュー・感想・評価

誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)
4.0
映画としては劇場で観るほどの期待度ではなかったものの、フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となってしまったこともあり映画館まで足を運んだ。
結論から言うとハードルは低かったものの期待を上回る佳作でかなり満足度は高かった。
銃もアクションもほぼ出てこない、911以降の現代の諜報員を描いた硬派なサスペンスで、小さな綻びから大物までたどりつくその手腕に唸らされる。キャスリン・ビグローが911以降の最前線を描いているのに対して本作では戦場から最も遠い場所での、イスラム圏と欧米の関係性が描かれていて、こちらにおいても、どちらが悪ともつかないその複雑さが垣間見えた。
前半は、馬鹿正直に「ホフマン全然狙われてないしあれだけ肥えてたら仮に狙われたとしてもオシマイだろ」と思いながら観てたけど、ちゃんと「A Most Wanted Man」に意味があることが終盤にわかり思わず膝を打った。
とにかく僕は最期にホフマンの「ファーーーック!!!」が聞けて最高だったよ。R.I.P.
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