バートロー

仁義なき戦い 代理戦争のバートローのレビュー・感想・評価

仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)
4.5
今作は菅原文太演じる広能と群像劇スタイルが復活するも、血気盛んな若いヤクザの血みどろ抗争ではなく、頭脳戦がメインに繰り広げられているのが印象的だ。 特に小林旭演じるインテリ武田明と広能と武田の第一ラウンドが熱い。

使い捨てのコマだったはずの広能は中間管理職的なポジションゆえに全作から広島最大の村岡組跡目争いに巻き込まれていく。松永、武田、江田、打本、早川の後期の重要人物が出揃い、長い派閥争いと椅子取り合戦が勃発。山口組をモデルにした神戸の明石組とライバルの神和会がそこに加わり混戦、代理戦争へと発展して行く様は敵味方がコロコロと変わる一級のポリティカルサスペンスだ。戦いの犠牲者はいつも若者であることを味わい怒りに震える広能の姿はシリーズ屈指の名場面。幹部でマユ無しの梅宮辰夫が迫力満点で顔が怖い。