けーはち

聖杯たちの騎士のけーはちのレビュー・感想・評価

聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)
3.3
クリスチャン・ベイル演じるハリウッドの業界人が酒池肉林、自己嫌悪、女性遍歴を重ね人生に葛藤する。ペール・ギュントやアーサー王物語などの古典を仄めかしながら、主題でタロットの小アルカナ、各章題で大アルカナを引用。謎めいた絶景やら意味不明の廃墟やら水中で昆布のごとく揺れるゆらゆら曖昧模糊とした環境映像やらを渋いポエティック語りとクラシック音楽で彩りつつ、視覚的には躍動感や焦燥感、エモーションの発露や美は確かにあるが物語性は薄くて結局何が何やらワカランMVみたいな画が流れ続ける。テレンス・マリック監督らしい。生きる目的を求めて巡礼する聖なる騎士や王子と自分を擬えるもやってる事は単なる女漁りなのでモノは言い方見せ方しだい。遍歴対象の女性は6人出てくるが劇中女優の知名度的に最重要な女性はケイト・ブランシェットとナタリー・ポートマンだというのがパッと見て分かるのは曖昧な話を観る上で親切。