すっごくモヤモヤする話なのに、サラリと描く監督の手腕に怒りすら覚えるほどの出来。
モヤモヤ部はともかくとして、本作の白眉は
ナオミワッツのヒップホップダンス！あれがもう、愛おしすぎ。
「傲慢」がテーマの作品だと思うのだが、そうすると『沈黙』との相似性まで浮かび上がってきて、クソムカつくアダムドライバーの役柄も、「つらいこといっぱいあったもんね…」とか変な方向で許してしまう。
ベンスティラーの役所はある時ではモキチだったりもして、ますます考えてしまう。
ナオミワッツの役所は、ベンスティラーのあの純粋さが好きでもあるし、その不器用さを嫌いでもあるんだろうな、とか。
ものすごく重たいテーマをコメディに仕立ててあるおかげで軽く見えるが、なかなかに重たい作品だった。
わたしは、2人の最後の選択を祝福するし、ラストカットの2人の驚きは未知の光をそれと知らずに手に入れた瞬間なんだと思いたい。
