菩薩

ジェニーの肖像の菩薩のレビュー・感想・評価

ジェニーの肖像(1947年製作の映画)
3.9
極度の鬱状態が続くなかなかの恐怖、しかも妄想、幻覚まで加わって来るのだから尚の事危ないが、最終的にめちゃくちゃいい話でごめんとなった。言ってる事ほぼ中島みゆきだし、やってる事は『めまい』と『君の名は。』と『時をかける少女』。ジェニーの肖像を追い求めればそれは彼女の身に起きた悲劇を追体験する事へと繋がってしまうが、そうして深まる愛がその手を離してしまった事により結実し、虚像である筈の肖像に生命を吹き込みそれを実像へと代えていく。誰に認められずとも彼の中で彼女が生きていたならばそれで良いし、その時芽生えた愛なる感情は時間も空間をも超越し、その美しさはキャンバスの上で輝きを放ち続ける。終盤の畳み掛けに圧倒されるし、モノクロからのパートカラーにハッとなる。生は死、死は生、美は真実、真実は美ってなんのこっちゃと思ったが本当にその通りだった。やっぱスケートは合法的に身体的接触を図れるから有効だ。林家の正蔵の二億倍は面白い。
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