グンタク

悼む人のグンタクのネタバレレビュー・内容・結末

悼む人(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

見ず知らずの死人を悼んでいく旅をする主人公への感情移入はしずらかった。
本人からその行為のことを病気のようなものとして語らせてしまってもいるので作り手としても説明の難しい行為なのだとは思う。その気持ちに寄り添えるか寄り添えないかで本作の評価は、作中のweb上での悼む人に対する意見のようにとても割れると思う。

印象に残っているのは知的障害の子を不良の暴力によって亡くした家族と静人が対峙するシーン。
恨み辛みはあるけれど、そればかりでは亡くなった人よりも加害者や不条理の方が濃く見えてしまうという静人の考え方は確かにそうかもしれないと感じた。
死んでしまった人、その人自身を純粋に憶えておくためには、いつどこでどのように死んでしまったのかということはあまり必要のない、かえって邪魔なことなのかもしれない。
見ず知らずの死人を悼む静人はやや大袈裟ではあるが、僕たちの身の回りの範囲においてもその姿勢、考え方はとても参考になるんじゃないだろうか。
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