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LUCY/ルーシーのkensyoのレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
2.5
リュック・ベッソンらしくシンプルなアクション物にしてくれた方が良かった。

遠大なお話にしようとした結果何もない、という印象になっている気がする…。

「人間は脳の一部しか使っていない」っていうプロットは使い古されてるけれど、それは別にいいと思う。
脳の眠ってる部分が活性化するとどうなるか?が荒唐無稽なのも別にいいと思う。エンターテイメントだもの。

でも、エンターテイメントならエンターテイメントの中での説得力が必要だと思うけど、それが全然ないせいで、逆説的に「脳力が解放されてる」っていう感じがしなかった。
「脳の力が引き出されると何ができるようになるか」っていうのは、つまり「何はできないか」っていうことが輪郭を定めていくと思うんだけど、そういう何かが欲しかったな。
ご都合主義でもいいんだ、無茶苦茶な描写があることで物語の爽快感が上がるとか盛り上がりが出るとか、そういうのがあるなら。
でもこの作品では荒唐無稽さが物語を盛り上げてもいないと思う。
だから結局は無だった。

冒頭のシーン、類人猿的なものを登場させて人類の進化を描く時点で「2001年宇宙の旅」のオマージュというより劣化コピーに見えてしまってちょっと嫌な予感がしたけど、最後まで見ても結局そのイメージが拭えなかったな。

「2001年宇宙の旅」の他、要所要所、「AKIRA」とか漫画の「銃夢」とかを思い起こさせるような描写が入ってくるんだけど、どれも表層をなぞっただけの劣化版みたいになっちゃってて残念。

抽象的な概念や描写は明らかに扱えてないから、それならいっそ「脳の処理能力が完全に目覚めた主人公の超絶アクション!」とかの方が楽しめたんじゃないかなって思う。

残念…。
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