キネマ寸評

グリーン・インフェルノのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
3.0
食人族愛ムービー。本家の食人族(Cannibal Holocaust)インスパイアかと思ったら、プロットやオチまでレンツィの人喰族(Cannibal Ferox/Make them die slowly)の方だった。性格悪い悪巧み男と巻き込まれ汚れない女性。そこに族が制裁。その線である。

グリーンピース/シーシェパード的な学生運動家が守ろうとした原住民に食べられるオチで、食人系のジャングル行ってやりたい放題やった白人が復讐に食べられる、というプロットとは違う。ただ、両者とも食人族が食事で人間食べるというとこは同じではあるが、本作はほんとに狩猟の対象がやってきた感じで、おなかすいててやっほ〜獲物!な原住民の生態設定。そこがちょっと旧作のオマージュ度を下げたか。
食人族愛ながら、チンチン系や股の間杭打ち系の描写はゆるく、獲物達が旧作に比べて殺されてもいいまでの悪人に追い込まれてないので、ただただ気の毒。ラストも含めてそういう所は原住民による制裁と勧善懲悪度が低く、メンバーが事故的に減っていくのでパンチが無い。続編は無いと思うが、そういう仕込みもイマイチ。
現代クオリティで食人族系が観れたのはそれはそれで評価。マリファナ=余計腹減り=ゾンビ化、というのも面白かった。
ロスかみさんの汚れなき女性像が股間責めの伏線に。彼女のアホとキレイの共存が楽しめる。

ちなみにテレビで食人系部族の取材をなにかで観たが、実際は部族同士の戦争が良くあり、倒されたほうは倒したほうに食べられる=その血を自分の中に取り込む、という戦の勝ち負け儀式延長線にある。干し首もその戦闘の結果、勲章としてぶら下げるもの。食事の獲物としては程遠いいのが現実。
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