ぬぬ

ウォークラフトのぬぬのレビュー・感想・評価

ウォークラフト(2016年製作の映画)
3.4
原作ゲーム『ワールド・オブ・ウォークラフト』を知らなくてもそれなりに楽しめる超王道ファンタジー。
勧善懲悪に縛られないように人間とオークの関係性を描いている事には好印象で、戦争というシュチュエーションを上手く利用した脚本になっている。
しかし中盤以降からオーク側が感情的すぎる為か、どちらに感情移入すればいいか分からなくなって客観的に振り回された感じもする。

VFXは天下のILM様が手がけているが、ビックリするほど嘘くさい映像の数々で、大作のわりには物凄く小規模な映画に見えることもある。音楽は壮大なオーケストラでアツくしてくれるのに残念。合成があからさまに見えるのは3D版がある為と思われる。

今作は『月に囚われた男』『ソースコード』などの低予算SFの傑作を生み出したダンカン・ジョーンズ監督が溢れるゲーム愛を注いだ作品だが、やはり大作ファンタジーというのもあって 見事に作家性が失われてしまっている。むしろこの題材で斬新な手法や物語で挑むのは難易度が高すぎるので仕方ない。それでも「ダンカン・ジョーンズの新作を観に行く」という気持ちは抑えた方が良い。

原作のゲームを愛して止まない人や、ファンタジーが好きな人には楽しめるはず。
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