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ジヌよさらば かむろば村へのhrswのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いつも通り松尾スズキ監督の描く、ずっとくすぐられているようなクスクス笑いが今作も心地よく続く。だけれど、田舎出身の僕から見ると、描かれていることは案外リアリティあるし、この映画の最大の言い分「自分を捨てる」も、僕自身もそうして今があると思っているので、納得できるものであったな。

松たか子さんや二階堂ふみさんのような美人でいい具合にエロい女性が田舎にとどまっているかって言う疑問はあるけど、荒川さん演じるチンピラの威嚇とか、何度説明しても話が通じない爺婆や、百姓舐めてると都会人を見下す農家や、政治がエロかパチンコの話しか出ない会合や…それはデフォルメであっても、田舎に住んでて思い当たる節があることばかりだったなw。

自分を捨てるってのは…自分の描く理想を捨てるのは、僕自身は30歳くらいまでかかった感じだけど、それを吹っ切れられると楽しいことに気持ちを持っていける。だけど、いくら吹っ切れたからと言ってこのままでいいのかと考えるわけだから、絶えず楽しいことを続けなければならない。阿部サダヲ演じる村長は、人の役に立つことをやり続けることによって自分でいられるんだろうなと思う部分もあった。

面白いんだけど、深い部分があるのが松尾監督の作品の面白いところだよな。とても良い映画だった。
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