ゆっけ

ラブ&マーシー 終わらないメロディーのゆっけのレビュー・感想・評価

4.0
ザ・ビーチ・ボーイズのリーダー、ブライアン・ウィルソンの半生を描く伝記です。

ザ・ビーチ・ボーイズについては、海が好きな人という浅はかなイメージしかなかったのですが、
そのリーダーがこんなとてつもない洗脳された人生を送っていたなんて少し衝撃的なお話でした。

もともとは、父親からの支配下によって育てられ精神的に追い詰められ心を病んでいきます。
その後、彼の名声とお金を狙う精神科医による一種の”洗脳”によってさらに追い詰められていきます。

物語は、1960年代と1980年代の両方が行き来しながら進んでいきます。
つまり、ビーチボーイズが一世を風靡し、父親との確執から逃れたいと考える1960年代と
音楽界から遠ざかり、療養生活を送りながら精神科医に支配されている1980年代です。

1980年代の彼の元に、あるちょっとけばめの女性が現れます。私、初めは良い印象を持たない彼女でしたが、
人は本当に見た目で判断してはなりません。彼女は非常に良い人でした。
洗脳されているブライアン・ウィルソンを救うために彼女は怒りを露わにして頑張ります。

多くのアーティストによって尊敬されているブライアン・ウィルソン。
彼が製作した「ペットサウンズ」はビートルズにも影響を与えます。

天才が故に抱える闇の問題。

ラストにかかる「Love & Mercy」。
この曲がどれだけ素晴らしいということは、これを作ったブライアン・ウィルソンの半生を知れば痛いほど分かります。
最高のエンディング。

天才たる苦悩に私たち凡人には理解が難しい部分もありますが、それでも彼が作り出す音楽の思いの強さに誰もが感動するはずです。
ゆっけ

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