Lizettte

ラブ&マーシー 終わらないメロディーのLizettteのレビュー・感想・評価

4.5
ブライアン・ウィルソンの半生、しかもどちらかというと負の方向にあった頃を、それを丁寧に追うわけではなく、2つの時系列を組み合わせたり、映像を収録シーンはドキュメンタリー風にしたり、時にはぐにゃぐにゃしたドラッグ的映像にしたり、音楽を耳鳴りのようにドンドンドンドン流したり、時代ごとにブライアン役の役者を変えたりすることで、彼の混沌とした心の病気を上手く表現していた。終盤はラース・フォン・トリアーをも彷彿とさせる"鬱度"に頭がクラクラしてしまったほど。しかし、その後のエンドクレジットのブライアン本人による「ラブ&マーシー」の演奏を聞くことで、メリンダとの出会いと彼女の救済のおかげで彼の人生の紆余曲折が大きな愛となって生まれ変わったことを改めて知り、深い感動を味わった。天才ブライアン・ウィルソンと天才的製作者たちが作り上げた傑作。
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