まず何と言っても本物のティーガーを使ってるところが観たくて観る作品ではないだろうか。
戦争映画はよく観てる方だが、折角当時の実物戦車まで使ってるのにハッキリ言ってWWⅡ辺りの時代の雰囲気が出ていない。
シャーマンとティーガーの戦闘シーンは流石に迫力あったが、意味不明なカラフル閃光弾には鼻白んだ。街や人の雰囲気も40年代の空気感が弱い。
ストーリー的にもベタに新兵が成長していくアメリカ大好き英雄物語が主軸で、始めの方で丸腰のドイツ捕虜兵を新兵の通過儀礼みたいな流れで射殺しといて最後はあの状況で冷血で残酷な筈のSSに見逃して貰って生き残って英雄…じゃねーよって感じ。
中途半端な恋愛ごっこも必要ない。あんなのはただ単にあの中で一番歳が近い米兵に卵と煙草を引き換えに春を売っただけに過ぎない。祖国を占領されたことのない国には分からないかもしれないが、あれが温情だとでも思っているのだろう。
そして最後の戦うシーンにも心情が入らない。ベルリンを最後まで守ろうとしたユーゲント(少年少女や国民突撃隊の老人達)の戦いならまだしも、制圧勝利が目前の連合軍がわざわざ臨まなければいけない戦いだったのだろうか。夢とお綺麗さを足しただけの戦勝国のマスターベーションにしか思えなかった。
ヒストリーチャンネルのタンクバトルを観てる方がまだ楽しい。