チェコ映画の最高峰として知るところには知られている名作。
いつか観なければと思い先延ばしにしていたのをついに鑑賞。
とにかく評価の難しい映画だった。
まず、話の流れや誰がどうしているか何がしたいか等、予備知識がないとまるで分からない。
終始wikiで理解を確かめながら進めるしか無かった。
また、ストーリー自体も面白いかと言われるとそうでは無い。
娯楽性は皆無だし、メロドラマも的な展開もプロット上はあっても演出上排他されている。
そのため、面白かったかとだけ聞かれると首を捻るしかない。
ただ、じゃあクソ映画なのかと言われるとそれは全く違う。
映像や雰囲気、荘厳なメロディーは、たまに息を飲むような美しさを見せてくれたし、ストーリーも複合的な内容を扱う叙事詩として厚みを持った作品である。
なんとなく、文学作品に近いと思った。
ミニマムな表現と客観的手法でストーリーを俯瞰しており、解釈や解説の余地が多く観客側に残されている。
鑑賞中眠いし訳わかんないし早く終われという気持ちでは正直なりましたが、すごい映画というのはガツガツ伝わってくる、そんな作品でした。