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Big in Japan(原題)の708のネタバレレビュー・内容・結末

Big in Japan(原題)(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんの才能もなく、本国ではまったく無名なオーストラリア人が日本に住んで、有名になろうとする実験ドキュメンタリー。バカバカしい雰囲気を漂わせながらも、日本の社会にやんわりと切り込んでいるのが興味深かったです。

タイトル「Big In Japan」とは、日本で有名という意味だけど、「日本でしか売れない外国人」という皮肉を込めたニュアンスというのがミソ。日本人は外国人であればなんでも飛びつくと、外国人から思われているのが端々で感じられて、ある意味で舐められて馬鹿にされているようにも受け取れました。なーんか嫌な感じ。でも、それが日本の実情なんですよね。

本国フランスじゃまったく無名の歌手クレモンティーヌが、日本ではフランス代表の歌手みたいな祭り上げられっぷりなのも、イメージ戦略のおかげなんですよね。日本では「外タレ」という呼び名があるように、多くの日本人にとって外国人はなんか特別で、憧れの存在なんだろうなと改めて思いました。アーノルド・シュワルツェネッガーを初めとした有名外国人が、大したことのないCMに起用されてビッグマネーを稼ぐことも、さりげなく紹介されてます。

冴えないデイヴが友人らに囃し立てられながらそそのかされて、日本で有名になろうということで、外タレ事務所への売り込みから馬鹿なユーチューバーまがいのことまでやり尽くすのですが、ずっとデイヴが乗り気じゃない感じが見てて辛い。どこぞのユーチューバーらしき日本人に極寒の滝行のリクエストをされ、スタッフに無理やりやらされるデイヴはかなり気の毒でした。滝行って真夏でもかなり冷たいです。

格闘家のボブ・サップ、女装パフォーマーのレディビアード、アイドルのケルシーといった日本でブレイクしている外国人をインタビューしながら活動を追う場面を挟みつつ、デイヴの苦戦の模様が収められてますが、なんの才能もなく明確な目的もなく、ただ「有名になりたい」だけでブレイクできるほど、日本もそこまで甘くないってことで。
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