真倉敏

ボックストロールの真倉敏のネタバレレビュー・内容・結末

ボックストロール(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

安心のLAIKA製映画。
作られた時系列では「KUBO」と「パラノーマン」の間に当たる作品。今作も異常な緻密さで可愛い人形達がストップモーションでヌルヌル動く。特にボックストロール達は可愛い。お尻とか。

物語はボックストロールと呼ばれる箱に隠れるトロールに育てられた男の子が迫害される仲間達のために立ち上がる話。

民衆の衆愚っぷりとか、誤った言い伝えとかはパラノーマンを彷彿とさせる設定だけど、今作の悪役はストレートに憎たらしいキャラクター。
欺瞞で民衆を騙してトロールを迫害しておいて、影で彼等の技術力を搾取しながら権力を得ようとする。また権力者達も金とチーズの事しか頭に無く、子供や人々のことは二の次以下。
現実世界が混乱に陥ってる今観ると、より風刺的な話に感じた。

そういう色々考えちゃうところもあるけど、基本的には無心で楽しめるとてもいい映画だった。
ストップモーションの映画はどれも動いているところを観ているだけでも眼福ですが。

トロールも好きだけど今作は悪役の手下も好き。ボスに従いながらも妙に内省的な発言が多くて面白かった。トロールを追い回しながら「これが正義の味方のやることか…?」とか。

LAIKAの映画はどれもエンドロールまで素晴らしい「作品」になってる所も尻尾まで餡子がつまってるたい焼きって感じで好き。特に今作の脇役二人の哲学的メタ発言はかなり笑った。

「俺にウィンクさせるのに延々と作業したり、正直時間のかけすぎだと思う」ww