夜野

0.5ミリの夜野のネタバレレビュー・内容・結末

0.5ミリ(2014年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

静電気が起こるくらい近い、人と人との距離感が0.5ミリ

介護ヘルパーのサワはある日派遣先で寝たきり老人の娘から、おじいちゃんと寝てほしいと依頼される。セックスするのではなく、ただ添い寝するだけの条件で引き受けるが、これがきっかけにある事故が起きてしまう。

添い寝していたじいさんに顔を舐められているのに気づいたサワは、おじいさんを突き飛ばしてしまう。よろけたじいさんはストーブを蹴飛ばし、布団に火が燃え移る。じいさんをなんとか救おうとするが、煙を吸ったじいさん死亡。
娘さんの雪子さんに助けを求めて階段を降りると、雪子さんは首を吊って自殺していた。
このことがセンターにバレてサワはもちろん仕事をクビに。寮も追い出される。

家なし、職なし、貯金なし。

サワは生きるためにおしかけヘルパーになる。
万引きや自転車のタイヤに穴を開けているワケありおじいちゃんを見つけては家に転がり込む。
もちろん弱みに付け込んで転がり込んできたサワを、どのおじいちゃんも邪魔者扱いするが、身の回りの世話をしてくれるサワにだんだんと心を開いていく。

死ぬまで生きよう、どうせだもん。

ラストは映画の始まりでおじいちゃんと寝てほしいと頼んだ雪子さんの息子さんが、実は女の子で、その子とサワ、2人が車でお世話になった娘さんのお父さんの家から出ていったシーンで幕を閉じる。


寝たきりのじいさん、自分の遺産相続で揉める子供に疲れて家出したじいさん、むしゃくしゃした腹いせに自転車盗んだり、タイヤに穴開けたり、万引きしたり、子供に八つ当たりしたり。これが今の日本なのかな。一部かもしれないけど、こういうじいさんは必ずいる。

サワのやってることは恐喝まがいだけど、一応世話になったおじいさんの世話はしている。これからもっともっとお年寄りを騙すような人が増えそうだなぁ。

この映画を観て色々考えさせられました。
夜野

夜野