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0.5ミリのamamのネタバレレビュー・内容・結末

0.5ミリ(2014年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

得体は知れないが介護や家事の腕はたしかな介護士のサワ(安藤サクラ)が、
次から次と孤独な老人のところに押しかけ、優しい爪痕を残していくお話。
おじいちゃんたちが揃いも揃って隙だらけ!
サワみたいな若くて親切な女性が突然押しかけてくるなんてファンタジーのようだけど。

①冒頭から衝撃的。吸引が必要で寝たきりだったはずのおじいちゃんが、助平心から1人で歩いてる。でもって、サワの顔を舐めまわしてる。入れ歯つけて織元順一さんだとわかったけど、入れ歯してないと誰かわからない。

②井上竜夫さんは関西弁になったり九州弁になったりどこの人かいね。鼻カニューレつけてのカラオケにヒヤヒヤ。握手した時に一万円札を握らせる粋なおじいちゃん。昔の人は、握手した時に人差し指を立てると誘ってるって意味合いらしいと聞いたことがある。東出は本当にちょい役。

③坂田利夫が孤独な老人を。歩き方がコミカル。朝食が海苔トーストにお味噌汁って、ごはんのメニューがなんだかリアルだった。ベンガルとの詐欺のやりとりも面白かった。

④津川雅彦の戦争を語る長回しの場面は、同じことを繰り返し話すお年寄りの話を辛抱強く聞いてる時と同じ気分になった…
梅干し食べて酸っぱそうな顔につられて、私もおんなじような顔になった。欲求不満なおじいちゃんに少しお尻くらい触らせたげてって思っちゃった。人ごとだからかもしれないけど減るもんじゃないしと。発散できない欲求は切実だ。

⑤安藤サクラがリアル義父(柄本明)の顔を自分のスカートの中に突っ込むという役者根性を見せていた。最後の最後には、背筋の凍る衝撃が待っていた。

坂田利夫くらいまでは楽しかったけど、後半は集中力きれた。「カケラ」の時も同じようなしりすぼみ感あったけど、モモ子監督は撮ったものを引き算していくということをあまりしないのかな。もうちょっと短いといいのにな〜。
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