がみおー

ピクセルのがみおーのレビュー・感想・評価

ピクセル(2015年製作の映画)
4.0
ゲームは好きだけどアーケードゲーム世代じゃないし…予告編で出てるのでパックマンとドンキーコングしか知らないし…なんて感じで勝手に自分は楽しめないと思い込んで観てない方、そんな事は全くありません。

情けない話ではあるが私も生まれた時には既に家庭にはスーパーファミコンがあって、喫茶店にあるインベーダーゲームをリアルタイムで触った訳でもない日本の癌ことゆとり世代の人間である。その上上記の通り私もパックマンとドンキーコングしか知らない(ギャラガは名前だけ)人間だったが、もう本当に笑って燃えて、非常に楽しめたのである。

ナードが主人公なのは向こうの作品にはよくある話ではあるが、設定だけのイケメン完璧超人ではなく、話のネタとしてしっかりナードである事がアピールされてるので我々悲しきオタクたちも何となく感情移入しやすい。一々言うジョークがツボにハマる。

言うまでもないがビジュアル面でも唯一無二の魅力がありドットキャラが何とも言えないピクセル化されたデザインになって現実世界に存在しているというのはまさに我々の夢の具現化でもある(私としては自分が二次元に行きたい側の人間ではあるが)

設定こそアホらしいものの、しっかり一本の娯楽作品としてうまく纏められている。高尚な作品しか好まない方でなければ充分に楽しめるだろう。



余談ではあるが、「オタクはキスを大事にする」という台詞がアダム・サンドラー演じるサムから語られる。この台詞に呼応するようにジョシュ・ギャッド演じるラドローは遂に目の前に現れた愛しのゲームのヒロインと打ち解けていきなり熱いキスを交わし、再開シーンでもまたキスをする。気持ちは非常にわかる。二次専の私にとって、もし目の前に普段(自主規制)に使ってたゲームやアニメのヒロインがいたら、相手がオッケーな状況ならキスをせずにいられるだろうか。いや、いられない。一昔前の作品を借りるなら「こんな娘がいたら僕はもう…!!」である。
今はどうか知らないがサムの言うオタクは恐らく恋愛には疎いし、その為純愛物に憧れるのだろう。だからオタクはキスが大事だし、「キスが嫌いな女の子なんていないんだよ…?」なんていうゲームのヒロインの台詞もまた大好物なのである。非常に気持ちの悪い話だ。