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バクマン。のEEのネタバレレビュー・内容・結末

バクマン。(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作から多少設定を変更した点が多々。
学年の設定が中3→高2
手塚賞 選外→準入選
亜城木夢叶のくだりなし。
見吉登場なし。
連載作品=トラップからこの世は金と知恵に変更。
各担当の雰囲気は大幅変更…など。

個人的に、真城と高木の2人が死に物狂いで連載を勝ち取ろうとする姿と、そこを目指す理由みたいなものがあっさりとしていた印象でそこが残念だった。
→特に本原作の序盤(特に退院くらいまで)は18歳までアニメ化する=結婚する、ためにという動機や叔父の死や漫画家としての紆余曲折があるからこそ、時に服部と時に2人同士で衝突しながらも連載に漕ぎ着け、そして倒れても描こうとする姿があったのだと思う。
⇄本作では、その2点が描かれてはいるものの…ただ「シーンとしてあるだけ」に感じてしまった。もう少し丁寧に見せてもよかったのでは。

・金知恵の作品は真城達が通う学校の校舎や先生などがモデルとなって登場しているらしいのだが、一方で彼らは学校に微塵も思い出がない。
→これ結構大きな食い違いではないか。

・あの佐藤健が童貞に見えてしょうがなかった。すごい。

・新妻エイジの描き方が中途半端にも思えた。
→原作よりも「敵」としての印象が強い形で登場しており、一方で天然な天才キャラであるところは引き継がれている。
それ自体は悪く無いのだが、真城&高木の作品を評価し友好的でありつつ、毒を吐いたり挑発するという姿は前者は「原作寄りのスタンス」であり、後者は「敵」としてのスタンスでありどっちつかずになってしまい、余計に嫌なキャラクターに見えてしまった。
特にエイジ自体、原作では入院での休載について異議を唱えたり、病室で描く姿に無言の納得感を持ってその場を立ち去る、まさに友と書いてライバルと読む関係性だった分違和感に感じてしまった。

・作中で王道、邪道という言葉が出てくるが、もう少しここの使い方はどうにかならなかったかなと感じる。
本来は王道漫画を描くエイジ⇄邪道漫画を描く亜城木という構図からスタートし、それではエイジに勝てない、王道を描くべきと考え挑戦するも惨敗。悩んだ末に邪道なそれでいて少年誌向きな"トラップ"にたどり着くという流れがある。
⇄一方、今作では「wアース」がそのどちらなのか明確には語られておらず(おそらく初持ち込みの際は邪道、連載会議時点では王道漫画寄り?)、この世は金と知恵が「邪道」を描くという目的でスタートしたことになっている。
しかし、この世は金と知恵はそもそも邪道過ぎて連絡に持っていけないという作品だった。百歩ゆずって「俺たちの強みは邪道だ、だから"この世は金と知恵"を描こう」としたいのであれば、しっかりwアースで王道漫画への適正の低さを示した方がよかった(邪道、王道という言葉もしっかり出して定義したほうが良い。)


・wアースから金知恵に向かって短期間で画力が上がりすぎているところが若干気になる。

・エンドロールは最高。 何度でも見たくなるエンドロール。
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