はな

バクマン。のはなのネタバレレビュー・内容・結末

バクマン。(2015年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

カヤの登場がなかったり、亜城木夢叶を使わなかった点は尺の問題だろうと思うけど少し残念でした。

でも、宮藤官九郎の川口たろうはもうダントツと言うか有無言わさずに原作のままだと思いました。原作でそんなに強い印象を植え付けるポジションではないからかもしれませんが本当に良かったです……本当に宮藤官九郎さん、多才ですよね…
今夏みた同じく原作漫画で実写化されている映画の前編ではここまで原作どおり!と思えるキャラクターがいなかっただけに本当に、なんと言うか、感動しました笑

私は原作では新妻エイジのキャラクターがとても好きで、その上今回演じるのが染谷くんと言うだけにそれはそれは期待して見に行ったので、期待を裏切られたとまではいかないし、やっぱり染谷くん以外が演じていたらおそらくもっと不満が募っていた気はしますが、思い入れが強いキャラクターを私が素晴らしいと思って止まない役者さんが演じていただけに…一番物足りなかったです。
新妻エイジはあんなに嫌味でシリアスなキャラクターではなく、どちらかというと能天気なキャラクターなのに漫画を描かせるとヤバイ…みたいな二つの面をもつキャラクターだと思うんです。
最後には主人公らともっと打ち解けて…みたいなくだりもなく、ただただ嫌味な鬼才という感じで終わってしまっていてその点はとても不満です。

あの役は確かに染谷くんと言うキャスティングはなにも間違っていないと思いますが、私が漫画を読んでイメージした新妻エイジとはほぼ正反対の描かれ方をされていて、本当に残念でした。

と言うか、全体的にはしょる場所は若干ミスっているような……

もっと福田組の個人に光を当てても良かった気がします。
中井さんは蒼樹さんがでてこないとキャラの良さが立たないとか、平丸さんは……

そう!平丸さんの担当!それだけは本当に本当に納得いかない!!!
いや、原作の面白さどこ行った?って感じです本当に、あれ原作元にしてるんですか?
新妻エイジの不満を先ほど長々と書きましたが、中井さんの点やカヤなど、本当にバクマン原作が好きなので、実写化されたらどうしても原作と比べて不満は出てしまうんですよ…
でも、きっと尺の関係で切らないわけにいかなかったんだろう、この映画を作っていく上できっと泣く泣くこうした人もいるんだろうな、とかそれなりに納得いく理由が自分でも思いつくんです。
なにより、平丸さんの担当以外は原作に忠実にやろうとしている感がいい意味で伝わってきたので、別にその不満があるから面白くなかったかと言われればそうではなくて、映画バクマンとしては本当に面白かったと言えるんです。

ただ、平丸さんの担当はやろうと思えばもっと原作に近づけるのはおそらく全然他のキャラクターに比べても難しくないと思うのに、しかも他のキャラクターをあそこまでのクオリティに仕上げているのに……
なのにどうして平丸さんの担当はあのクオリティなんですか!

ちょっとあれは完璧に脇役で見落とされている感を感じずに入られませんでした。
どうしてあそこだけあんなに抜けているのか……
最低限でんぱぐみのもがちゃんとまで名前を出したからには平丸さんがもがちゃんと食事にでも出かけるシーンを妄想する…みたいなコマがあっても良かったのでは…

これ以上書くと福田組ひとりひとりやその担当などもう不満が止まらなくなるのでやめておきます笑

ただあくまでこの不満の大半はだからと言ってつまらなかったかと言われればそんなことはない不満です。
映画にする上で何から何まで漫画どおりは無理なのはよくわかっています。
時間的にも原作の濃さ的にもこれ以上のクオリティは無理!というところまで仕上げてもらえていると思います!
最後がちょっと想像もつかないところで終わったのでそこには本当に腰が抜けそうになりましたけど、そうきたか!と思わせてもらいました。
いろいろ抜かしまくって無理やり原作どおりの終わりに持っていかれるよりは全然良かったです。
何より原作を大事にしての終わり方だったので本当にそこは感動させられました。

最初にも書いた通り、今夏もう一つ実写化された映画を見たのでどうしても比べてしまうのですが、映画バクマンは原作にはどこまでも忠実にやろうという製作者側の原作への想いが伝わってくるものになっていて本当に後味が良いです。

バクマンのキャストは本当に豪華で正直豪華なキャストでごまかされた感は否めないですが、漫画の実写化で正直ここまでのクオリティを感じたのは初めてかもしれません。
それだけにここをかえればもっともっといいのに!みたいな改善点が不満となってたくさん出てきてしまいますが、見て損はない映画だと思います。
矛盾しているかもしれませんが笑

それからもし映画しか見ていない人は是非漫画を読んでほしいです。漫画を読ませる思惑か?と思わせるほど映画で描かれたシーンは漫画の巻数のかなり浅い部分のみです!

ここまで不満ばっかり書いたのにスコアが4.5なのは、それでもやはり原作に忠実にやっているだけあって面白いことには面白いです。
原作から他のキャラのサイドストーリーなどを切ってシュージンとサイコーだけの話にするとあの実写化は納得の出来だと思います。
0.5はあえていうなら平丸さんの担当のクオリティです。

エンドロールもかなり凝っていて、というか劇中の映像技術も凄くて面白かったです。
はな

はな