卜部琢士

ターミネーター:新起動/ジェニシスの卜部琢士のレビュー・感想・評価

3.8
過去のターミネーター・シリーズはタイムパラドックスを一顧だにしない、SFというよりロボットアクションだったが、今作は作中でジョンが多世界解釈を暗示して、過去へ遡っての歴史改変自体の意味を否定する、単なる続編ではない物語の脱臼が行われていて、一見した印象よりかなりよく練られた脚本。

作外の時間軸で言えば2015年はもはや作中の審判の日である1997年を追い越しているわけだから、それを2017年に再設定するマクロな歴史改変ものとも読める。

人工皮膚は経年劣化するという新事実が明らかになることによって、シュワルツネッガーのパラドックスは解決されているが、サラ・コナーがもはや原型を留めていないパラドックスには言及されていない。

ちょこっとでてくる女刑事は、ドラマ版でサラを演じていた女優さんだよね、たしか。2015
卜部琢士

卜部琢士