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エージェント・ウルトラのnotitleのレビュー・感想・評価

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)
2.8
過去を無くしたヤク中のバイト戦士がスーパーソルジャーに覚醒する映画なのだが…。

ジェシー・アイゼンバーグのお喋りキャラがバイト戦士の悲壮感と相まって、冒頭のシークエンスから結構いい感じの映画になっている。街を出られない障害を抱える中、完璧で献身的な彼女に支えられて如何にもドラマ!
本当に冒頭15分くらいで終わってくれたら素晴らしい青春ドラマになったのだが、ジャンル映画にそれは許されない宿命。
突如として主人公は覚醒して戦い始めるのだが、果たしてお話としてはコレどうなんですかね。

覚醒後の展開は正直に言って陳腐。
『ターミネーター』とか『ボーン・アイデンティティー』みたいと言ったら分かりやすいけれども、追っ手のエージェントもボーンシリーズほど魅力は無いし、主人公はそんなに自分の過去を調べようとしないので物語的なサスペンスは無いし。
アクションにしても、極端に凄いバトルアクション演出があるわけでもなし、逃亡シーンのアクションもほとんど無し。
おまけに覚醒後の主人公が恋人をあんまり守れていないのもちょっと気になる。

政府の役人のイザコザも、そんな複雑な計画でもないくせに出世だの昇格だの権限だのとごちゃごちゃしてて分かりにくい。掘り下げに失敗した上に面白味にも欠けるあたり致命的だ。

ヘタクソな監督の演出でも良い脚本ならある程度カバーしてくれるものなのだが、脚本の設定の時点でコレなんだからもう救いようがない。
せっかく面白そうな設定なんだから、もっと脚本頑張って欲しかったな。

あと、最後のエンドロールなんだけど、それはアニメーションじゃなくて実写で見せてくれよ。みんなそこのアクションを見に来てるんじゃないの? 頼むよ。
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