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裁かれるは善人のみのmのレビュー・感想・評価

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
3.8
タイトル通り。
邦題がすべて語っているのはもう仕方ないんだけど、本当にどこまでも救いようがない。見終わってもしばらく落ち込み、言葉が出てこなかった。小さな劇場全体に、重い空気が立ち込めていた。

政治と宗教。
神にすがって、考えることを放棄して政府の言いなりになるのが賢い生き方なのか。最後までそれを選択しなかった主人公は、文字通り、すべてを奪われた。受け継いできた土地も家も、妻も子どもも。

鯨の骨。すべてを飲み込んでしまいそうな荒波。
最果ての地で、長くちっぽけな人間と大きな鯨が共に暮らしてきたことに想いを馳せる。

超早口の判決、射的の的、ロシア流のブラックすぎるジョークが唯一の救い。あとはひたすらウォッカを瓶であおる。
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