黒髪泥棒猫miyuki

Mommy/マミーの黒髪泥棒猫miyukiのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.5
衝撃的な映画だった。
ストーリーの設定は架空の世界の現実。カナダでは発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律が話題となっていた。
その法律により、ADHD(注意欠陥多動性症候群)の息子・スティーヴを持つダイアン・デュプレの運命は、大きく左右される。

感じた映画のテーマは、母・希望・愛。
泣けたシーンは2つあった。それが「2つ」というところにも意味がある。それは車に乗っている間と降りたあとにやってきた。
とにかくADHDのスティーヴは自分の抑制が効かない。母・ダイアンを心から愛している。「まだ愛し合っているよね?」と聞いたり「ママはいつか僕を愛さなくなる。それでも僕はいつもママの味方だよ。」と母に言うほど、母をとても大切にしている。
ダイアンもスティーヴを心から愛している。
でも愛しているだけじゃどうにもならない衝動もある。

好きだったセリフは亡くなった父の口癖「過去はクソ。未来をわしづかめ!」。そしてダイアンが「希望を選んでいるの。」と言い切ったあのシーン。
大粒の雨が降るシーンのようにずぶ濡れになるほどの愛。愛。愛。

スティーヴとダイアンの「永遠」のシーンもすっごく良かった。誰かと観るより、ひとりでこっそり観て「家族に会いたい」と思う映画。