長靴を吐いたネコ

Mommy/マミーの長靴を吐いたネコのネタバレレビュー・内容・結末

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

※ネタバレ全く自重していませんので、今後観る予定のある方は読まないことをお薦めします。
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【Mommy/マミー】 (Theatre)
2015年
総合評価 3.9 → ☆3.9

「シナリオ」 (1.0) … 3 → 3
「演出全般」 (1.2) … 4 → 4.8
「心理効果」 (1.5) … 4 → 6
「視覚効果」 (1.1) … 4 → 4.4
「音響効果」 (0.9) … 4 → 3.6
「教養/啓発」 (0.8) … 4 → 3.2
「俳優/声優」 (0.7) … 4 → 2.8
「独創性」 (0.8) … 4 → 3.2
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【ストーリー】
ADHDの息子を抱えて奮闘するスカーレット・ヨハンソンを+20歳ぐらいした容姿の母親と、ナオミ・ワッツをふくよかにさせた容姿のご近所さんの愛情や友情の話。
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【魅力】
・映像
・音楽
・演技
・リアリティ
・せつなさ

【不満】
・特になし

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【少し突っ込んだ感想】
あまり詳しくないのですが、ADHDという精神疾患で、深刻なレベルでヤンチャな息子さんが施設内で放火して他の患者さんに重傷を負わせたことでお払い箱に。S14?とかいう新施行の法律に翻弄された家族とか冒頭で案内してたけど、あまり翻弄されている場面は無かったような。

息子は落ち着きがなく、凶暴で、ワガママなので、精神疾患とは言え正直見ていて凄くイラついたのですが、ご近所さん効果もあって、それなりに生活も楽しく、息子自身にも魅力が垣間見えるようになってくる絶妙な演出に、監督のスキルの高さが伺えます。

ご近所の言語障害も精神的なものらしく、息子と接するウチに改善されていく展開に、一概に疾患をマイナス要素と断定させない深い価値観も感じます。とはいえ、結局マイナス要素を否定せず描いてるところにリアリティを感じますが。

映像に関しては、光彩の使い方がとても上手だった印象で、芸術的な色彩感覚を感じさせる場面がチラホラあり、また音楽の使い方が非常に上手く、テレンス・マリックに近いものを感じました。特に妄想シーン。演技も秀逸。表情で語らせるのが上手い。というかとても若者が監督した映画とは思えませんね。一種の老獪さすら感じさせます。愛情表現は若者のそれだったと思いますが。

終わり方も独特で良いですね。

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