ドラン作品初鑑賞でした。
彼が若き天才と呼ばれる所以が分かった気がしました。まずあの斬新な画面の使い方に拍手したいのは、今までない全く新しい感動を覚えたから。閉塞した場所から解放された「自由」、その喜び表現するのにこのような方法があるのかと感激。そしてずば抜けた映像美、そこに流れる音楽のセレクトセンスに脱帽。
また、このテーマをこれだけ深く描ききっているところが凄い。同じ20代だと到底思えないですほんとに。
愛情だけではどうにもならない事がある現実との葛藤、未来への希望を信じた母の大きな決断、子の母を想う純粋で一途な愛。
重いテーマゆえに時には見ていられないほどの辛い場面もあるが、美しい映像と、屈託のないスティーヴの笑顔に何度も心が救われました。
3人でホームパーティをしたり散歩に出かけたり、あの幸せがずっと続いて欲しいと心から願っていた。
ラストは凄く悲しいけれど、決して悲劇ではないと思う。スティーヴの走り出す先には小さいけど明るい希望があるような気がしたから。そう考えるのはただの私の願望なのかもしれないけれど、ダイの選択は決して間違っていなかったと強く思う。
