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サンドラの週末のAkaのレビュー・感想・評価

サンドラの週末(2014年製作の映画)
3.5
静かで淡々とした映画。
音楽もセリフも少なめ、電話での会話やどのような人間関係なのかもほぼ語られません。
その中でも人のあたたかさ…というよりは善意、慈悲のようなものを感じられる作品だと感じました。人間関係や思い出などは全く語られないので、サンドラが職場の同僚達とどれほど仲が良かったのかも、どう思われていたかも私達にはわからない。それを自身で想像し、この人達は本当にサンドラを思ってくれているのか、哀れんでいるんじゃないか…等々、いろいろ考えてしまう。最終的には、ああ良かったなぁとは思えたんですけど、私の心が汚いのか、なんだか全体的に嘘っぽく見えてしまいました。
まあ日本では現実味のない話ですし、自分だったら…なんてことが考えられなかったのが、嘘っぽく見えてしまったり、ぼーっと流し見てしまった原因な気もします。映画の特徴もあいまって。

ただ、サンドラ役、マリオン・コティヤールの表情やしぐさがとてもリアルで演技力が素晴らしいです!
だからなのか、サンドラがもう嫌だと嘆くたびに腹が立ったり、同僚達に投票を断られるたびに同情し、最後の結末には少し希望をもらえたような優しい気持ちになれる…いろんな感情の入り混じった映画だったように思いました。

2016/12/01
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