きぬきぬ

バードピープルのきぬきぬのレビュー・感想・評価

バードピープル(2014年製作の映画)
3.4
仕事や生活、人間関係含めに行き詰まり、煩わしいことをすべて放り出して解放されて自由になりたい、そんな気持ちはずっと持っているけど、この作品の主人公の一人、アメリカ人のゲイリーを見ていると、会社では重要ポストで妻子もありで、彼が解放されるまでがあまりにも煩わしい。
パリに来て、忙しい仕事も限界でもう辞める、アメリカには帰らない、冷え切った家庭ともさよなら。身勝手で不安や罪悪感が無いわけでないけど限界だったのだろうな。ゲイリーのパートにはこの煩わしさが厭になるぐらいに詰まっている。無表情な彼に感情や笑顔が戻るのは救い。

もう一人の主人公、オードリーはゲイリーの宿泊する空港傍のホテルの客室係。往復2時間の通勤。単調な肉体労働。客からは透明人間。大学は休学中で、変化を求めながらもやりたいことが見つからないような感じ。
些細だけどいつもと違うことが起こり、彼女はスズメになって飛び立つ。不慣れなスズメの姿も、スズメになって見る景色も新鮮そのもの!人間に戻れなかったらそのままスズメになっちゃうのかと思いましたわ。
不思議な一夜の冒険は彼女を生き生きと息づかせてくれたけど、疲れ過ぎて行き詰ったときには、不思議なスパイスが欲しくなるなあ。

しかし、オードレィは絵を描く日本人男性と良い感じになるのかな?とか思ったんだけど。不思議ティストだけですかいな。(苦笑)
きぬきぬ

きぬきぬ