しーしーあーる

アメリカン・スナイパーのしーしーあーるのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

題名的にアメリカ万歳な作品かと思ったらそういうわけでもなく、終始戦争の現実や戦う兵士の心が病んでいく描写を中心とした重い映画だった。
描写が徹底的にリアルというか、余計な感情(アメリカのために!みたいな、愛国心というかポジティブな類の)がない。そこにある感情といえばひたすら絶望だとかやりきれない気持ちだとか、せっかく家族の元に帰ってきても心はいつまでもイラクにある苦しさだとかで白々しさがないのが他の戦争映画との違い。
なによりも、(こんなこと書きたくないけど)戦争からなんとか帰ってきて家族と穏やかに過ごすことを決めたクリスが同じく戦争で心的ダメージを負った元兵士のせいで亡くなるっていう結末がより一層この映画の生々しさを際立たせてる。
一つ思ったのは、これはどの戦争映画観てももそうだけどイラクの武装組織側に焦点を当てた映画があったら観てみたいなと思う。別にどっちが良いとか悪いとかじゃなくて、純粋にどんな信条に従って戦い続けてるのかは興味あるし、どの映画でも本当にあっけなくバタバタ倒れていくけど同じ人間で同じ命がそこにあるんだからもう少し詳しく描写されているものが観たい気持ちは前からある…無理だとは思うけど。