一人の兵士の実話を元にした作品。
家族の描き方が丁寧なだけに、ラストの虚無感がすごい...悲しいのか苦しいのか。それすらもあやふやで、エンドロールが淡々と事実を流していたのもまた色々考えさせられた。
私たちにとって、戦争は非日常で今この生活が日常の現実だけどでも、クリスは違う。戦争も家族のいる生活も日常だ。PTSDの描写もリアルだった。
私たちは戦争を知らなくて、銃の重みや目の前で仲間が殺されることの苦しみも哀しみも知らない。だからこそこうして映像で観たとき改めて、報復から始まる戦いの愚かさを思い知る。レジェンドと言われるたびに見せた、カイルの憂いを帯びた眼差しは当分忘れられそうにない。
