JTKの映画メモ

アメリカン・スナイパーのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.8
一応体裁は正義のアメリカが憎きイラクのスナイパーを撃つ、的な有り体のストーリーを装い、追う正義のスナイパー、なかなか追いつけない敵側のスナイパーみたいなスリリングな展開で観るものを飽きさせない。しかしながら後半、敵のスナイパーは撃たれるも、そこには映画的カタルシスは無い。
アメリカン・スナイパー、カイルは狙撃した敵の持っていた武器を拾って構える10歳にも満たない子供に対して「拾うな!頼むからそのまま逃げてくれ!」と心の中で懇願する。
臨場感凄まじく、戦争は嫌だ、怖い!戦争反対!ってスネークマンじゃないけど自然にそう思ったね。
戦争のヒーローを描写するも、安易なヒロイズムやナショナリズムに陥らない見事な反戦映画。ここにイーストウッドの矜持を見た。
前作「ジャージー・ボーイズ」が珍しく後味良かっただけに、これはイーストウッドらしくずしっと見応えあって重い。観て良かった。

(かたや「日本」アカデミー賞では「永遠の0」が総ざらいだと。このプロパガンダが偶然とでも?
もはや絶望的。)