このレビューはネタバレを含みます
「レジェンド」と呼ばれる所以は戦果を上げたこと。国を守るためとはいえ人を殺めたことにより得た称号。この「レジェンド」という言葉はクリス・カイルを苦しめていたと思う。そして、この言葉が他の兵士の心をも蝕み、カイルの命を奪う結果になったと思わずにはいられない。「戦争」の恐ろしさ、理不尽さを一人の兵士をじっくり描くことで訴えかける、考えさせられる作品。クリント・イーストウッドとブラッドリー・クーパーの誠実さ、熱い想いに胸が熱くなる心に残る傑作。無音のエンドロールで、観た人すべてが色々なことを思い巡らせ、考え、そして完結する。巧みな構成に感服した。