1976年公開のハンガリー映画。 監督はラースロー・ラノーディ 。
原作はジグモンド・モーリツによる1940年発表の中篇小説『Árvácska』(孤児)。
1936年の夏に投身自殺をしようとした19歳の少女からモーリツが話を聞き、その少女が語った事実に沿って小説化したものであり、映画もその原作小説をほぼ忠実に踏襲している。
1930年代初頭のホルティ独裁政権下のハンガリーが舞台で、孤児であるチェレが国からの給付金目当ての里親にどこまでも虐待されし続ける物語。
とても美しい映像で構図もいい感じなのだが、チェレがかわいそうすぎて観ていて辛かった。腐りきった里親たちへの殺意が沸々と湧いてくる。ずっとロバが苛められる『バルタザールどこへゆく』も中々観ていて辛いものがあったが、これは少女が服も着せてもらえずに虐げられるので、それを余裕で越えてました。
ハンガリーでは大ヒットして、今でも学校や家庭で観られ続けているらしく、日本で言うと「おしん」のようなポジションらしい。こんな救いのまったくない物語を家族で観たりしてもどうなんだろう・・・。
途中で出てくるおじいさんが優しい人で、結構素敵なセリフを言ってたりするのが唯一の希望なのだが、その後毒殺されます。どこまでテンション下げる気ですか。
ただこれを多くの人が観ると、児童虐待が減るような気はしました。