きみ

あなたがいてこそのきみのネタバレレビュー・内容・結末

あなたがいてこそ(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「なんで、自転車目線?」と思いましたが。
そんな冒頭での疑問もきっちり回収。
ラストまでにしっかりきっかり伏線を拾う、安心感のあるラージャマウリ監督作品。

インド映画によく登場する格好良くて強いヒーローとは異なり、主人公のラームはうだつの上がらない冴えない男。
そのため最後までパンチやキックの肉弾戦を繰り広げることはなく、クライマックスはひたすらに自転車で駆け抜けます。
逆に自転車だけで切り抜けるのが、すごい、すごい。疾走感がありました。

私的にラームはそこまで魅力的なキャラクターではなかったのですが、愛嬌があるところ、アパルナに対して誠実なところが良かったです。
アパルナはダンスシーンなどの表情がとってもチャーミングで、可愛らしい人でした。

ラー厶の命を狙う父親と兄弟たち、そんな彼らに殺されないためなんとか屋敷内に留まろうとするラー厶。
お兄ちゃんたちが強面で恐ろしかったぶん、まったく力ないラームに翻弄される姿が、よけいに面白かった。
まさに期待に答えてくれるコメディ。

相変わらず警察が仕事をしていないし、治安は最悪。それなのに緊張感よりも、笑いがまさる。とても楽しい作品でした。
余談ですが。ラームは、あの恐ろしい父親、お兄ちゃんたちと親族になるのか……、怖すぎるな。
きみ

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