Jean

アデライン、100年目の恋のJeanのネタバレレビュー・内容・結末

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

2017.01.05 英語視聴

人間は不老不死や永遠の若さを求めるけど、
それを手に入れることは
とても悲しい人生の始まりだということを
私たちは知らない

よく考えればわかるはずなのに…

もしそれを手に入れたとして、
ただ喜び惚けている人はきっと
愛する人がもうこの世にいない
または愛を知らない人だと思う

愛する人とともに年をとれない
その悲しさは耐え難いものでしょう

時とともに痛みを忘れられるのは
時間が流れ、心と体が変化する人だから
言えることなんじゃないかな

1枚1枚写真をめくるアデライン(ジェニー)は
自分のその変わらぬ姿を見るだけで
忘れられない懐かしき日々を思い出してしまう

だから自分の写る写真は彼女が憎く思うもの
その反面、思い出に浸れるものでもある

長く生きれば生きるほど、
たくさんのことを知り喜びや
時代の変化を楽しめるけど、
その分数えきれない悲しい嘘と辛い決心を
彼女はしてきたに違いない

でも彼女の娘フレミングは
愛することを怖がらないでと
将来や変化しないことを怖がらないでと
若き母に言う

若さは大事にすべきだと痛感した場面だった

そして
恋したエリスの父がかつてアデラインの
愛し、結婚を申し込まれそうになった人であった
彼と再会した時のあのアデラインの目は
悲しい目をしていて
嘘をつくその巧みさは
それだけ数え切れない嘘を愛する人に
してきたことを意味しているようだった


人は大きく2つに分かれると思う

1つは
自分の心に嘘をつき、
同じ嘘という過ちを貫ける人

もう1つは
自分の過ちに気づき、
素直な心を貫く人 心のままにあろうとする人

アデラインの1つの決心が
彼女に大きな変化を与え、幸福を手にしたように
1つの決心や行動が人生を左右するのだと
改めて感じた

もし私が今の若さを手に入れたとして、
ずっとずっと生きられるとしたら
それはきっと不幸のスタートラインだ

この映画は私に年をとること、人生の大切さと、
生きぬく希望を与えてくれたように思う

心が大きく揺れる物語とは言えないかもしれない、
でもその分たくさんのことを教え、
考えさせてくれる作品だと思う

とにかく、
素敵な映像と時代を映し出す音楽とファッション
また観たいと思う
Jean

Jean