私だけかもしれないが、伝記ものは毎度観た直後は「ふーん、ほうほう」といった感想で終わるのだが、後々思い返すと「面白かったなあ」という気持ちがジワジワと湧き上がってくる。
本作も同じく後からジワジワときた作品。
今まで私は作品のアイコン的なキャラクターを演じたジョニー・デップしか観たことがなかった。
しかし今作のマトモ(ではないが)なキャラクターの演技はとても恐ろしく、狂気を感じられる素晴らしい演技だった。
カンバーバッチ演じる弟ビリーの存在が、兄バルジャーとの関係の上でのみ描かれていたように見え、ビリー自身の狂気があまり感じられなかった点が残念。
バルジャーの伝記とはいえ、もう少しどうにかなったのではないだろうかと思う。