本作最大の見所は、見事な頭部メイクを施したジョニー・デップによる脅し演技。バイオレンス描写よりもとにかく「脅し演技」がむちゃくちゃ怖い。（特に「肉の味付け」のくだり。）この脅し方が主人公バルジャーのキャラクターを決定付けている。（きっと本当のバルジャーもこんなヤツに違いないと、映画を見る人を納得させる力がある。）
ジョニー･デップと言えば、かつては演じる役を慎重に選ぶタイプの俳優だったが、近年では「それはもうやめた」と公言してはばからない。でも本作のバルジャーはそのかつてのジョニー･デップがいかにも食指を動かしそうな実在の人物。やはりこういう役を演じる彼が私は好きだ。
ジョニー・デップ繋がりで、FBI絡みの史実を題材にした作品では『フェイク』もまた彼の演技が印象に残る。
