このレビューはネタバレを含みます
今作のボス(ジミー)は
みこしに担がれた裸の王様的に感じられ
実話原作であるため派手な演出が出来ないかもしれないが余りにも淡々と進み
殺人に至る人間関係の歪み
収入源となる悪事等についても詳しくは語られない
また勢力が拡大しているにも拘わらず
ジミーは身なり・車・生活等あまり変化せず成り上がり的な高揚感もなく
グループの規模が余りにも小さく仲間も4～5人しか出てこない
脚本が悪いのか事実に忠実に描かれているのか・・・
殺人描写も銃・ロープ・羽交い締め等であったが一方的で抗争相手からの反撃・返り血・凄惨なシーンも無いため緊張感は感じられなかった
ジョニーデップについては危ない怖さ以上に
母親・子供・寝室でのコナリーの妻に対する態度等から純粋な優しさを持って接しているにも拘わらず
終始独特で抑止の効かない行動が目につき
妻と子供とのシーンでは完全に一人浮いている他人の様な違和感さえ感じられ
仲間の彼女の娼婦にも容赦のない行動は救いようがない
家族・仲間の為と思い執った行動が
相手には伝わらないばかりかそれ以上の恐怖・苦痛・反感を与えてしまう悪循環
次第に家庭崩壊・仲間に裏切られる孤立感や悲しさ(自業自得ですが)
精神疾患とも感じられる難役を一貫して静かに演じているのは流石であった
これだけ豪華な出演陣で期待感が大きかっただけに見せ場が少なく
我らがベーコンが結局無能な上司役であったのは少し残念でした
