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ブラック・スキャンダルの33のネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々と物語が進んでいく。

【備忘録~あらすじ~】
1970年代、アメリカのボストン南部。兄弟同然に育った3人の男たちは固い絆で結ばれていた。ジェームズ・バルジャーとその弟ビリー、二人の幼馴染ジョン・コノリーは、ギャングのリーダー、政治家、FBI捜査官としてそれぞれの道を突き進んでいた。

ボストンは、犯罪が多い危険な街としても知られており、低所得層が多く、アイルランド系アメリカ人が多い。この街では、マフィアやギャングのつながりだけではなく、アイルランド系アメリカ人コミュニティの中にも強い結束が存在している。警察にタレ込んだ人間は、裏切り者として制裁を受けるのだ。

マフィア浄化作戦に取り組むFBI捜査官のジョンは、イタリア系マフィアと抗争をくり広げるジェームズに敵の情報を売るよう持ちかける。ジェームズはFBIと密約を交わし、敵対する組織を壊滅させた。名声を望む政治家のビリーもそれを黙認し、権力の座を駆け上がる。

ジェームズは、殺人、恐喝、麻薬密売、高利貸しなどあらゆる犯罪を仕切っていた。ジェームズは数々の凶悪犯罪に携わる一方で、30年に渡りFBIにマフィアの情報を提供し続けることとなる。その組織は“ウィンターヒル・ギャング”と呼ばれ、FBIを操ることで彼らの犯罪の多くは黙認されていた。一介のギャングに過ぎなかったジェームズは、FBIを利用し裏世界でのし上がっていった。

利害が一致し歯止めが利かなかった癒着関係は、やがてアメリカ史上最悪の汚職事件へと発展する。事実に目を向けた新しい検事は疑念を確信に変える。捜査が進む中、言い逃れできないと悟った捜査官モリスを皮切りに、逮捕された関係者が取引に応じ、ジェームズとジョンの悪事が明るみになっていった。

このスキャンダルで衝撃が走ったのは、表社会だけではなかった。犯罪組織のボス自ら暗黙のルールを破っていたという事実は、裏社会にも大きな波紋を呼んだ。

ジョンだけはジェームズを売らなかった。懲役40年。12年の逃亡の末、ジェームズには終身刑2回と懲役5年の判決が下った。
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