人は天才の魅力に惹きつけられるのか
それとも惹きつけられる魅力があるから天才なのか
娘の、娘だからこそ撮れた視点の、天才と呼ばれるピアニスト、マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリーであり、監督である娘の物語。
恐ろしく魅力的なアルゲリッチ。天真爛漫で型にはめられることを嫌う様はまさに天才のそれ。
しかし、彼女は人間である。実に人間くさい。演奏している姿のどこか浮世離れした感じと、カメラに、いや娘に語りかけている人は同一人物とは思えない。どこか危うさを含んだ感じがとても愛らしい。
短い演奏シーンと、彼女の成り立ち、それぞれ別の父を持つ娘たちの人生をギュッと濃縮したような96分。
邦題が全く的を射ていないのが残念ですが、オススメです!